
もう一つの世界を見た「きのこはかせ」
英 昌幸
晩秋とは言え例年よりまだ温かさが残る11月半ば頃、渡辺会長より宮城教育大学付属養護学校中学部1年生の生徒さん6人と一緒に、食べられるきのこを探す先生になってもらいたいとの突然の電話を戴いた。
詳しい事は現地でとのことであったので、さっそく当日大学の正門にて受付をし、構内の付属養護学校中学部に戸惑いと緊張感いっぱいで赴きました。
校長室にて、宮教大教授でもある中井滋校長先生や担任の若い2人の先生に丁重なる応対を受け、大変恐縮してしまいました。 席上当日のだいたいの主旨の説明を受け、後日別便にて10月末より12月初め迄の教育活動の一環で、「青葉の森を調べよう」活動計画の(たつじんに学ぼう)と言うカリキュラムの一部であるとの事でした。
何人かの(たつじん)が居て、私はそのうちの一人で、食べられるきのこを探してやり、次の(たつじん)がきのこご飯を作って、みんなでおにぎりにして食べてみるとの内容でした。
先生から子供たちは非常に楽しみにしているとの事で、さっそく玄関にて皆との対面式に臨みました。 私の胸には「きのこはかせ はなぶさ先生」と書かれ、落葉で飾られた立派なネームプレート迄、用意されていました。
さっそく6人の生徒さんと、3人の宮教大のボランティアの女子大生と計12人で学校の裏手にあたる青葉の森の散策道に向って出発しました。 時期的に食べられるきのこがあるかなと心配しつつ、途中、どうか食べられるきのこが見つかるようにと心に念じながら、温かい日ざしの中をノンビリ、ノンビリと皆で歩いて行きました。 土ぐりやホコリタケの老菌、カワラタケを見つける度に子供達から歓声が上り、食べられますかと聞かれ、ダメと判るとがっかりし、淋しそうな目を見るのは何かつらいものがありました。
また、「きのこはかせ、きのこのお父さんと、お母さんは木だよね。」と質問され、その後、独り言のように「きのこ採ったら、木に怒られるかなー」と・・・・。
そして、その時ついにクリタケをあっちこっちで発見し子供達の歓喜の声が上り、最高潮に・・・まずは食べられるきのこに巡り会えてひと安心した次第でした。
そんな純粋な子供たちの目を通して、濾過されたきのこの世界、そんな世界を忘れていたような気がする。 そして時が経つにつれて不思議と子供たちと歩いたその時を鮮明に懐かしくさえ思い出すのはなぜなのだろうか。 それは遠い昔の子供の頃、今みたいに山や森や川に空き缶や紙コップそして不法投棄された大型ゴミの無かった自然の中で遊べたからなのかもしれない。 そして人間や動物や鳥や多くの生き物が自然によって如何に生かされ癒されているかを、つい我々は忘れていたのではないかと痛感されます。
子供たちがいつまでも、きのこや自然のあらゆる恵みに対して、目を瞠り輝かせ、興味を示してもらうために、我々大人は山や森に入る時の最低限のマナーを常に忘れないで実践行動していきたいものと考えております。
併せて、自然の大切さを強調し、同好会として何かボランティア活動を通して少しでも世の中に貢献できることが無いものか、今後考えて行きたいものです。
今年はとりあえず私は山に入る時は、ゴミ袋を持参し少しでもゴミ回収に心掛けて行きたいと考えております。
最後に宮城教育大学付属養護学校中学部の関口先生、菅原先生より後日、きのこご飯がおいしく炊け、おにぎりにして食べ子供たちは大変喜んでおりましたと言う「青葉の森をしらべよう」のまとめと記録をていねいに送って戴き大変恐縮した次第でした。
両先生にはいつまでもお元気で生徒さんたちの為に頑張って下さい。 そして私たちも明るく今年も元気で山に行きたいものです。
