会会員でもある金沢大学の太田先生の「キノコの薬効」という演題で講演された原稿を入手したので、先生のご好意により、以下に転載致しました。
 資料の半分の掲載であり、スピーチの記録と質疑を併せて冊子になっていて、全文をご希望の方には、後日コピーを手渡し又は新聞発送に同封して配布しますので、編集部にご連絡下さい。
−記−
日時:2003.12.12 18.00〜19.30
場所:金沢大学サテライト・プラザ
講師:太田富久:金沢大学薬学部教授、金沢大学機器分析センター長
転載:「金沢大学サテライト・プラザ」ミニ講演記録Vol.3 No.8(通巻26)
−講演趣意口上−
自分で自分の健康を維持し病気を予防するという意識が日本国民に強くなるにつれて、健康食品に大きな関心が寄せられています。 健康食品の中でもキノコ類は利用の歴史も古く、薬効について多くの研究例があります。 しかし、キノコ類の薬効について科学的な解明が充分進んでいるとは言えないのが現状です。 そこで演者らは種々のキノコ類に含まれる有効成分の探索研究を進めており、これまでに抗腫瘍活性化合物、免疫機能調節物質などを単離してきました。 また、腸管免疫という観点からマウスの経口投与法に基づく抗腫瘍活性試験の見直しを行い、数種のキノコが腫瘍増殖抑制効果を示すことや、その効果が免疫学的メカニズムに基づいていることを明らかにしました。 本講では、将来展望も含めたキノコ類の薬効に関する科学的な評価について、平易にお話
します。

キノコの薬効(1/2

金沢大学薬学部 太田富久

きのこ類全般の薬効、科学的健康作用について
   低カロリー食品である
   食物繊維が多い----優れた食効を示す
   抗便秘作用、抗コレステロール作用、血糖値の改善作用、循環器疾患の予防
キノコの成分-------多糖類(ベータグルカンを含む)
   アミノ酸(グルタミン酸)
   
テルペン(抗菌、抗癌、神経成長作用)
    芳香族成分(うま味・・・5GMP
【代表的な薬効】
1.   抗腫瘍活性(免疫賦活作用に基く作用)
      ナメコ、エノキタケ、シイタケ、ヒラタケ、マイタケ、マツタケ
   レイシ、アガリスク、メシマコブなど
   作用物質:多糖体(きのこに共通)、
      核酸類

    食べるだけで効果がある
2.  抗酸化作用(活性酸素消去作用―老化、発ガン予防)
   エノキタケ、ヒラタケ、マッシュルーム
   作用物質:未確認
3.   神経成長因子産性促進作用(抗痴呆作用?)
     ヤマブシタケ、ケロウジ
   作用物質:ジテルペン類
4. 降圧作用(血圧下降作用)
    レイシ

   作用物質:高分子化合物、
      テルペン

5.  
血中コレステロール低下作用
   シイタケ
   作用物質:エリタデニン
6.   抗血栓作用(血小板凝集抑制作用)
   レイシ
    作用物質:未確認

【薬としてのキノコの応用】
1.   
ブクリョウ(茯?) 日本薬局方収載
   利水(利尿)、健胃、鎮静作用
   漢方処方として用いられる

   茯苓飲:吐き気、むくみ、胸焼け、胃炎

   八味地黄丸:保健強壮など

2.    チョレイ(猪苓)日本薬局方収載
   利水、止渇、解熱

   漢方処方として用いられる

   五苓散:汗かき、めまい、頭痛

3.    レイシ(霊芝)
   制癌、降圧、血中コレステロール低下、抗血栓、血糖降下作用

4.    医薬品(制癌薬)
   クレスチン(カワラタケの成分):消化器、肺がん

   レンチナン(シイタケの成分):胃がん

   シゾフィラン(スエヒロタケの成分):子宮頚がんにおける放射線療法と併用

【毒キノコの注意】
食菌と類似の毒菌を良く覚えて注意すること、 知らないキノコは食べないこと、の2点を守ればほとんどのキノコ中毒は防げます、 有毒キノコを調理して食べる人がいますが、慢性腎毒性を示すおそれがあるので、毒キノコには手を出さない心がけが必要です。

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