巻頭言

                       みんな違って、みんないい

会長 渡辺正美 

2003年度も、残念ながら、きな臭さが漂う年になってしまいました。 ことしこそは、平和で安心してくらせる年にしたいものです。

さて、仙台キノコ同好会の1年をふりかえってみますと、会員は182名(12月8日現在)と前年度とほぼ変わりはありませんが、総会は別として、新春交流会、料理の集い、採集会、一泊研修会など、22回もの行事が実施され、1回以でも参加した会員は125名(累計945名)にもなりました。 科学館でのキノコ展は今回も盛会で、展示キノコは、カゴタケを含む野生種220種と栽培種17株/11種、観客は、2日間の合計で2,012名でした。 それぞれの行事を準備・担当された方々のご苦労に感謝したいと思います。

年末に、トリュフが採れた、と騒ぎになりました。採集者は小学校3年生の女の子(H15.12.04太白自然観察の森)。 その子の学校の先生から、昨年当会に入会した高橋和吉さんに鑑定の依頼があり、それが当会に回ってきました。 見たところ―どう見ても―イボセイヨウショウロ(山渓カラー名鑑「日本のきのこ」575ページ)なのです。 私は何とかスケッチしようと思いましたが、臭いのきつさに辟易して、止めてしまいました。

最終的な同定を安藤洋子会員にお願いしましたら、細かな点はまだ不明のようですが、胞子表面がとげ状に立っていて、Tuber indicum,つまりトリュフの一種に間違いはない、ということです。 宮城県では、初の記録になります。

これまで発見されていなかったきのこを、小学生の子が採集できたのは、太白山付近まで進出してきたイノシシと関係があるのでしょうか。

さて話しかわって、このごろ、金子みすゞという詩人が再評価されているようです。 この人の詩の一節に「みんな違ってみんないい」というくだりがあります。 空を飛べる小鳥、たえなる音色の鈴、そして私、それぞれ違いはあるけれど・・・とうたっているのです。

私は、最近の世情を見るにつけ、己の価値観を絶対として、他に押し付けるやり方が紛糾のもとを作り出す、と思います。 当キノコ同好会の運営に当っても、私を含め会員のみんなで「みんな違ってみんないい」と認め合えるゆとりのある会、楽しい会にしていきたい、と思ってあります。
  
 今年度も、よろしくお願いいたします。