| やすらぎのカンタケ採り・・・・・・・・佐々木勲 十一月末のある日、数人で蒲生海岸にフユヤマタケを採りに行った。かねて見当 をつけていた処は枯れ草や落ち葉が踏み荒され、かき回されていた。浜辺の松林 はアミタケ、シモコシなど人気のキノコがあるが、秋遅く生えるフユヤマタケも「カンタ ケ」と呼んで地元の人達に良く知られたキノコである。 キノコは小さいがくせが無く 、ヌメリがあるので舌触りがよく、歯ごたえも良い。 キノコの少ない晩秋に生える事 も人気のひとつなのだろう「正月の雑煮に入れて食べるのが楽しみ」と聞いた事が ある。 この日も数人のフユヤマタケ採りの人たちと出合った。 腰につけた小さめの篭を 覗くと色とりどりのフユヤマタケが底がかくれるほどに入っている。 本には灰褐色、 オリーブ褐色などとなっているが、晩秋から初冬になると黄色、ダイダイ赤など鮮や かなものが多くなるようだ。松林内のやや広いところに車を乗り入れて昼食をとる。 キノコ談義をしながら楽しいひと時である。 数日来の寒波も収まり林の中は風も 無く柔らかな日差しである。 この穏やかさは貴重なやすらぎの場なのだろう・・・・・。 カンタケを 採らんと入りし 松ばやし 苔あたたかく ひかり静もる 仙台キノコ同好会の創立者であり初代会長、本田修郎先生の歌である。 今日の ような日にフユヤマタケを採りに来たのであろうか・・・・などと故人に想いを馳せた。 少なかったこの日の収穫はフユヤマタケ、シモコシ、マツカサキノコモドキ、ニセマ ツカサシメジ、エセオリミキ、サザナミツバフウセンタケらしいもの不明2〜3種。 Sさんの採った傘経五センチ、褐色で柄の根元に黒い土がついて繊維質のキノコ はアセタケの仲間で唯一の毒キノコだった。 穏やかな晩秋の一日であった。 |
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