〈キノコこぼれ話〉アンパンと私
先日、141のフードマーケットで、パックに盛られたマツバハリタケを見つけ、一瞬棒立ち
になった。 私にとって、このマツバハリタケは、長年、幻のキノコでしかなかった。
毎年秋になると、決ってこのキノコを求め、浜に通ったものである。
それが一昨年、キンタケを探しに行った時から、状況は一転し、松葉を盛り上げ至るところ
に生えていた。 今までの苦労は一体何だったのか、・・・・・ともあれ香り豊なこのキノ
コを心ゆくまで味わえるようになった。
アミタケ、キンタケ、そしてハツタケ等は昔から人々が慣れ親しんで来たキノコで、始発の
バスで出掛けても浜に着く頃には、袋を提げた帰り足の地元の人たちに出会い、がっかりさ
せられたものである。 然しそんな中にも唯一の望みは残っていた。それは誰にも見向きも
されず、アンパンなどと云って蹴飛ばされていたマツバハリタケであった。 同好会の中でも
最近注目される様になり、様々な料理法なども、試されるようになっていた。
それが突然、商品化されてしまったのである。 もう私たちの密かな楽しみも消え去って
しまった様に思え一抹の寂しさを感じた。 そして面白いほど採れたマツバハリタケも松林
から姿を消すのも、そう遠くないように思えた。
キノコの知識の普及に努めてきたキノコ同好会の功罪相半ばしたのではないかと、考えさ
せられた私でした。
佐藤奈々子
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